2012-4-24 長野日報で紹介されました! 
絶景が一番のご馳走♪ 伊那市長谷に「木楽茶屋」開店 

 伊那市長谷黒河内黒川集落の高台に、ひっそりとたたずむカフェ「木楽茶屋」が開店した。眼下に南アルプスの雪解け水を集めた黒川の清流が流れる絶景を望むロケーションにほれ込み、千葉県から9年前に引っ越してきた志村裕幸さん(64)、千恵子さん(60)夫妻が「景色を楽しみながらゆっくりとした時間を過ごしてほしい」と、自宅をカフェに改装してオリジナルのコーヒーやワッフル、ランチなどを提供する。口コミで評判が広がり、開店から半月で来店者が絶えない人気店だ。

 日本中の山に登るのが趣味の2人は、南ア仙丈ケ岳へ登った際に長谷の雄大な自然に魅せられ、子どもたちが独立した後は、移り住もうと考えてきた。念願かなって黒川集落の空き家を購入し、長谷の中でも過疎と高齢化が著しい土地で地元住民と生活を送っている。

 木楽茶屋は、絶好のロケーションや澄んだ空気の黒川集落の魅力を発信し、多く人と同じ場所で時間を共有するために始めた。清流を望み、推定樹齢60年のソメイヨシノが立つ自宅西側を増築し、カフェにした。開店と同時にブログも始めた。

 建物内は天井が高く、木のぬくもりあふれる落ち着いた雰囲気。テーブル席のほか、絶景を望む西側の窓にカウンターを設け、最もリラックスする角度に設計された背もたれの椅子を置いた。いろりもあり、炭火料理もする。

 コーヒーは350円から。南アの軟水を使い、専門店で修行を積んだ千恵子さんが香り高く入れる。ブレンドはドリップかサイフォン、薬膳ブレンドは、そばかショウガか黒豆を選べる。ワッフルは、日本はちみつで味付けてふんわりとした口溶けに焼き上げる。

 ランチは関西風の「オカンのうどん」と、トマトスープの「ミネストローネのおごっつぉ」。人気のうどんは神戸市出身の千恵子さんが、だしの効いた薄味で仕上げる。いずれも600円。

 地元住民と山の手入れやイワナを育てる活動をしている裕幸さん。「黒川はみんないい人たちで、毎日がとても楽しい。山と谷、川に囲まれた理想の暮らしです」。こう満足げに話すと、千恵子さんも「一番のご馳走は窓からの絶景。コーヒーを飲みながらくつろいだ時間を過ごせる」。

10年弱前